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太陽の帝国 [SF!]

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監 督 スティーヴン・スピルバーグ
出演者 クリスチャン・ベール
公 開 1987年

 このところ、膝の調子が悪かったりとかいろいろあってあまり出歩けないのですがそろそろまたMTBに乗ろうと思いつつ、バラードの本を読んでいて、確か映画もあったなと思い出して見てみました。
 原作は自伝的な内容で、中国の租界で過ごす少年時代のバラードが戦争の巻き込まれ、強制収容所での過酷な生活を描いた物です。原作は読んでいないんですが、公開当時のこの映画はさほど評判が良いわけでもなく、見てみたい気持ちもあった(スピルバーグだし)のですが、結局は映画館に足を運ぶ事はありませんでした。
 まあ、事実と虚構ないまぜなのでそのままでないとしてもバラードが子供の頃から風変わりな少年ではあった事が伺えます。小説との関係は「楽園への疾走」のカーゴカルトとかのくだりは、この当時の救援物資が空から落下傘で降ってくるといったところから来ているように思うし、租界で何不自由なく英国流の暮らしをしていたのがある日突然、廃墟に変わったりするあたりパラダイスが裏返した様に廃墟に変わる表現の源泉であったのではなんて事を思ったり。 身近にあった死に様の表現や、病院ベッドの「カヤ」が、順番で死んで行く病人の為に使うとかいったあたりもそうなのか、とか類推する楽しみもあります。
 記憶に残るのは、自転車と飛行機が物語の要所で印象的に使われているシーンでした、純真な少年の心情が生き生きと表現されていて「零戦」や「P51」(米国の戦闘機)に対するあこがれ、敵であっても敬意を素直に見せたりする姿が心に残ります、特に「零戦」を修理している場所でそのカウルに頬を寄せる姿やその後に特攻隊員と敬礼を交わすシーンがビジュアル的にも美しく素晴らしい。
 スピルバーグは自転車を象徴的に使う事が多いけど、冒頭で廃墟になった自宅の中をピカピカの自転車で乗り回すシーンと、やはり終盤で廃墟となった収容所でぼろぼろになった自転車を乗り回すシーンが印象的です(あー自転車乗りたい(笑))。
 日本での公開当時使われたポスターは情感に訴えるような美しい零戦のシルエットと少年でしたが、本来のポスター(上のね)の方がこの映画の本質を上手く表現していますね。これはいいところ。
 良くないのは、映画だけ観るとちょっとなにか物足りない感じや、日本人の表現が少々不正確だったりする部分が気になるけど、少年の記憶やファンタジーの表現と解釈できなくもなくと言った感じ。
 クリスチャン・ベールの原点を観るという事で、バラードに興味が有る人だけでなく楽しめますよ。

楽園への疾走 [SF!]

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楽園への疾走」 
著者 J・G・バラード 増田 まもる訳 創元SF文庫
 1994年初出。2009年文庫化。

 久しぶりに読んだバラードの印象が良かったので最近の作品を読んでみたくなり。
 とにかく最初からからグイグイ引き込まれる感じ、ストーリーは、風変わりな女性環境保護活動家(女医)と青年が「アホウドリ」の楽園を南の島に建造しようとするが次第に女医の本当の異様な目的が明らかになり・・・。
 常軌を逸した環境保護運動家の描写は、現実の「ある種の環境保護活動」の胡散臭さや「フェミニズム」への痛烈な皮肉とも思えるが、単にそういった物語ではなくバラードらしく楽園が地獄への変貌する過程が独特な筆致で美しく描かれてゆきます。
 そして「原子爆弾」に対する青年の執着と、異様な女医への執着は暗い情熱と負の世界への憧憬と言った感じで読者自身にも自身の見てはならないものを見つけてしまったという気分に。
 「ディストピア」好きなあなたに(笑)是非おすすめ。

沈んだ世界 [SF!]

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「沈んだ世界」 
著者 J・G・バラード 峰岸 久訳 創元推理文庫 


 「虐殺器官」を読んだ時に作中に登場していたので久々に読み返してみたくなり、バラードの本を探して本棚をほじってみたら最初に出て来たのがこれだった。(最初に読んだのは1982年頃)
 まあ、時節柄のタイミングはこれは良かったというか嵌り過ぎでしたが。

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 ちなみにこれが現在の表紙。随分かわったね。
 
 物語の内容は、太陽が膨張し温暖化が進んだ世界は海に飲み込まれ、巨大な太陽が照りつける世界を探索する科学者と軍人、次第に身体、精神が変調を訴えるようになり・・。というような内容なんですが、とにかく「暑い」世界の描写が延々と(笑)。なんか現実とのシンクロで「くらくら」来ますね。1962年初出なのですが、温暖化で世界水没っていう設定はこれが発端で以後いろんな映画やら小説で使われるようになったようです。作品的には、以前読んだ時は前半の思索的な内容が印象にあったのですが、今回読み返してみたら後半戦の「インディジョーンズ」ばりの内容が妙に印象に残ってしまいました。
 ま、いずれにせよ今年の夏にはぴったりだったのでしょう(笑)。

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 「庭の向日葵」暑かった夏もそろそろ終わりそう。

虐殺器官 [SF!]

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「虐殺器官」 
著者 伊藤計劃 ハヤカワ文庫JA 

 夭折の新鋭作家「伊藤計劃」のメランコリックにして繊細、大胆な描写と綿密なプロットで一気に読ませるそんな感じのSF軍事サスペンスといった感じでしょうか。微に入り細に入るような身体の損壊状況の描写は正直ちょっと嫌悪してしまう所ではあったのですが、この描写が必要とされる物語ではあるのでしょう。所謂SFファン的な人の好みそうな細かなディテール、小道具がちらほらと見え隠れして、作品への愛着と登場人物への感情移入の度合いが高まってしまう。万人に進められない(笑)傑作。

未来医師 [SF!]

 P.K.ディックの本邦初訳の長編タイムトラベルSF、「まだあったんだ」って位の感じだったんですが。つい買ってしまった。

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 内容は未来医師っていうより、過去医師っていうほうが適切なんじゃないかね、っていう割と正統派のタイムトラベル物です。初出が1960年て事も考えるとまあこんな感じなんでしょうか。
 所謂「ディック的」な感じはあんまりしないけど、普通に読める。こんがらがった不条理でサイケデリックな世界を展開する例の雰囲気を期待すると肩すかしですが、これはこれで古典的な趣きが悪くはないかな。というのも好きな作家だからこそ思えるのかも。あとがきにも有りますが、ディックなら何でもの向きには当然の一冊ですね。残りは後「4編位」しか未訳の長編は無いそうなので、「創元SF文庫」に期待して待ちましょうか。

深く静かに潜航せよ [SF!]

 久しぶりにDVDを購入。

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サイレントランニング(Silent Running)1972年米国公開
監督は「2001年宇宙の旅」や「ブレードランナー」の特殊撮影を担当したダグラス・トランブル

サイレント・ランニングとは軍事用語で潜水艦の作戦行動=「深く静かに潜航せよ」の意。
 高校に通っていた頃、日本未公開映画というふれこみでTV放映された時一度だけ観たのがこの作品です。なんでいままでこの映画の事が気になっていたのかといえば、この映画に登場する「ドローン」(ロボット)達があまりにもカワイイから(笑)。
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 映画の、ストーリーは当時の自然保護活動なんかを反映した今で言えばエコっぽい地味なものですが、ドローン達(ヒューイ、デューイ、ルーイの名前がついている)の仕草がかわいいので「ほのぼの」しますね。つま先をとんとんするシーンとか、耳にあたる所をぱたぱたするシーンとかお気に入りです。
 最近の映画でCGで滑らかに動くロボットよりも好きだな。

 B級映画ではありますが、この手の映画好きにとっては傑作の部類ですね。

運命のボタン [SF!]

 マシスンの短編集を読みました。表題作の「運命のボタン」はキャメロン・ディアス主演で映画になったみたですね。で、読み始めて気づいたら、以前読んだのが幾つか入っていてでもどの短編集だったか思い出せない。(笑)以前読んだ時はゴブリンの話が頭に残っていたのだけど、今回読んだらゴブリンの話よりボクサーの方が面白かったです。あ、ボクサーの話「スティール」はやはり映画になるようです。
 こうして久々に読んでみると、話の作り方なんかスティーブン・キングのご先祖様みたいですね。

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 ちゃららら、ちゃららら、ちゃらーん、ちゃちゃちゃちゃん。(笑)


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